資本コストや株価を意識した経営
1.現状分析・評価
2019年12月期 | 2020年12月期 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | |
売上高 (百万円) | 6,369 | 8,282 | 11,493 | 12,229 | 11,084 |
調整後営業利益 (百万円) | △200 | 1,125 | 1,619 | 1,025 | 240 |
調整後営業利益率 (%) | ― | 13.58 | 14.09 | 8.38 | 2.16 |
営業利益 (百万円) | △284 | 1,046 | 1,351 | 675 | △156 |
営業利益率 (%) | ― | 12.63 | 11.75 | 5.52 | ― |
経常利益 (百万円) | △341 | 1,020 | 1,232 | 612 | △275 |
親会社当期純利益 (百万円) | 34 | 1,138 | 1,324 | 84 | △5,623 |
1株あたり当期純利益 (円) | 1.43 | 47.10 | 54.68 | 3.49 | △231.68 |
自己資本比率 (%) | 43.2 | 37.8 | 33.1 | 34.9 | 5.0 |
ROE (%) | 1.0 | 33.4 | 30.0 | 1.6 | △172.4 |
PBR (倍) | 5.21 | 19.34 | 5.09 | 2.94 | 12.49 |
時価総額 (百万円) | 15,888 | 74,113 | 26,172 | 17,687 | 7,915 |
最高株価 (円) | 677 | 3,785 | 3,585 | 1,461 | 772 |
最低株価 (円) | 352 | 495 | 1,000 | 671 | 288 |
当社は、2020年12月期以降、コロナ禍による急速なオンライン活用の普及による業績拡大及び成長性への期待値向上により、資本収益性が大きく向上しました。
しかしながら、2022年12月期以降、行動制限の緩和と経済活動の正常化が進む中、リモート文化は着実に定着しつつあるものの、イベントDX事業において製薬業界・人材業界の特定顧客における想定以上の減収や、コロナ禍における急激な社会的需要の増加に応えるために拡大した、人件費を中心とする固定費が収益性を低下させる要因となり、2023年12月期には営業損失、経常損失を計上いたしました。また、国内単体及び米国子会社Xyvid, Inc.において減損損失及び繰延税金資産の取り崩しを計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、資本収益性は大きく低下するとともに株価も低迷いたしました。
当社の株主資本コストは11%程度と考えております。これに対し、2024年12月期はROE31.9%と株主資本コストを大幅に超過する計画をしておりますが、これは2023年12月期の期末の減損等で自己資本が大幅に減少したことによる影響が大きく、短期的には2024年12月期において収益性の改善、黒字転換と業績予想の達成を実現することで株主の皆様からの信頼を回復し、持続的な成長を支える筋肉質な経営体制を構築することが最優先と考えております。なお、ROEの計画値は2024年3月6日公表の第三者割当増資の新株発行部分による資本増強を計算に含めております。
PBRは株価の変動や純資産の増減の影響を受ける中で、過去5年度においては1倍を常に上回って推移しております。
2.改善に向けた取り組み
2024年12月期は、リモート・オンラインの活用が普及し、新型コロナウイルス感染症の5類移行から時間が経過してポストコロナにおける社会に移行した中で、2023年12月期以前よりも事業環境の方向性が見えてきております。
売上においては2023年12月期に計画を大きく下回ったイベントDX事業の製薬業界及び人材業界の領域を保守的に計画した上で、対面とオンラインの体験価値を最大化するハイブリッドスタジオの稼働開始、自社開発プロダクトVCPの本格展開、その他領域での成長により昨対比増収を計画しております。
利益面においては、2023 年に実施した人件費を中心とする経営合理化施策の効果に加え、引き続き外注比率の最適化など原価改善を含めた徹底したコスト削減や、自社開発プロダクトの選択と集中の施策を進め、黒字化に向けてイベントDX事業を中心に収益性をより一層改善して参ります。
また、IR 活動において、業績の内訳や取組内容の状況及び結果をご理解いただくとともに、当社の事業や成長性の認知と信頼を高め、より多くの投資家に当社株式への投資をご検討いただけるよう、情報開示と市場との対話を推進してまいります。